東京都港区にあります産業保健サービスです。
港区・中央区・渋谷区を中心に産業医やストレスチェックを通して、
企業様をサポートしております。
以前「メンタルヘルス不調から復職した社員への接し方」についてブログでご紹介いたしました。
本日のブログでは「休職者への対応について」を掲載いたします。
復職者への対応としては「職場にいやすい環境づくり」が重要であり、本人が職場に居づらい環境にならないよう配慮することが大切であるとご紹介いたしました。
それでは、休職中の社員に対しては、どういった対応が良いのでしょうか。
休職者への対応として、人事部門の方から次のような質問を受けることがあります。
休職者への会社からの連絡については、次のようにするのが原則とされています。
「1ヶ月に1回、健康管理部門が休職者に連絡を入れ、状態を把握する。」
職場の上司から直接連絡を入れるのは、やむを得ず上司でなければならない場合のみに限る。
メンタルヘルス不調による休職者は、「会社」に関するあらゆることに強いストレスを感じています。会社から連絡が入るのはおっかないし、会社という場所に近づくのもこわい、という心理状態になっています。
会社から連絡がくると、負担に感じ、病状を悪化させかねません。そのため、必要がない限り会社から本人に連絡を入れないのが原則です。
全く連絡を入れなくてもいいか?と言うと、そうではありません。労働安全衛生法上、会社は、社員に対する安全配慮義務が課せられています。休職者の健康状態を把握しておく義務があるのです。
では、どれくらいの頻度で健康状態を把握すれば良いかというと、1週間に1回では多すぎて、1ヶ月に1回も把握しないのは少な過ぎるといったところです。
長期で休職している場合は、通常、健康保険に傷病手当金を請求します。傷病手当金を請求する際は、傷病手当金申請書の作成が必要になります。この書類には病状等に関して医師の記入欄があります。傷病手当金の申請は1ヶ月ごとに1回行うのが通常のパターンです。傷病手当金申請書には会社が記載しなければならい欄もあり、会社と本人でやり取りすることになるので、1ヶ月に1回、連絡を取り合うことが必至となります。
この際に、会社は、休職者の病状を把握することができます。以上のような事情もあり、健康管理部門が1ヶ月に1回、休職者と連絡を取りあって健康状態を把握するのが適切と考えられるようになっています。もしも会社に健康管理部門がない場合は、人事がこの役割を担います。
他に大切なこととして、休職中の連絡先の把握と、それを関係者へ共有することへの同意確認があります。一人暮らしの社員は実家に戻って療養することもあります。
そのため、電話番号の他に、療養先住所とメールアドレスも確認しておきましょう。基本的に会社からの連絡は健康管理部門(もしくは人事部門)1本に絞りますが、何かあった際は関係者に共有する旨の同意です。
休職に関する規定や手続きについては、休職に入る前に会社で説明できればベストですが、突然お休みになることも珍しくありません。その際は郵送またはメールにて連絡しましょう。内容については以下のポイントを押さえておくことで、休職者は安心感を得られます。
組織が再編された、全社的に給与規定が変更になった、といったような、休職者に知らせておいた方が良い情報も、メールや郵送で連絡をしておきましょう。残念ながら、休職満了退職となる場合は、事前に電話で説明した上で、退職満了通知を郵送しましょう。
お休みに入った際(休職に入りたての際)によくある質問として、本人でないと分からないことがあるが、本人に確認しないと仕事が止まってしまうので、連絡を入れてもいいか?というものがあります。これは、やめましょう。残った人でなんとかするしかありません。
時に責任感が強い社員ですと、主治医より即休養が必要と診断されているにも関わらず、引継ぎのため無理を押して出社してくる場合があります。その際も、必要最低限のことだけにして、上司は出来るだけ速やかに帰宅させましょう。PCや会社支給の携帯電話も、自宅で利用すると休まらず療養にならないため、持ち帰りは禁止します。
「休職者がスムーズに復職できる環境づくりは、休職と同時にスタートしている」ということを念頭に置いて、休職者が安心して療養に専念できるよう、対応すると良いでしょう。
休職者への対応は、企業の人事担当様のお悩みとして非常に多く、特にメンタルヘルス不調の場合にはどう対応するかと頭を悩ませることが多いものです。
産業保健サービスでは産業医やストレスチェックを通して従業員の皆様の心身の健康を守るサポートをしております。お困り事・お悩みがございましたら、お気軽に産業保健サービスまでご相談ください。健康経営のプロフェッショナルとして、皆様のご要望にお応えいたします。