東京港区・渋谷区の産業保健サービス株式会社です。
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本日のブログでは、少し珍しい保険商品をご紹介します。
保険といえば「病気に備える」「将来への不安を解消する」といった意味合いが強いものとなっておりますが、ご紹介するこの保険は「健康になればなるほど、保険料が安くなる」という特徴があります。
「体が資本」という言葉がありますが、体も心も健康が一番ですよね。
ご自身の健康について考えるきっかけとなれば幸いです。
今回は、ちょっと珍しい保険をご紹介します。
俳優の瑛太さんが、「走れメロス」に遭遇するCMを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
この保険は、住友生命が7月下旬より発売した、南アフリカからきた日本初上陸の健康増進型保険「Vitality」といいます。この保険は加入時の健康状態で保険料が決まり、病気への備えの意味合いが大きい従来型の保険とは異なり、健康になるほど保険料が安くなり、病気になるリスクを減らせるというポジティブな商品であることが特徴です。
具体的には、健康増進活動を行うとポイントが付与され、そのポイントに応じて保険料が変動するのです。
最大の特徴は、腕時計型のウェアラブル端末などを利用し、契約者の食生活、血圧や血糖値などの健康診断ほか、歩数、心拍数などの健康増進活動をポイント化して、保険料を増減させるという点です。そして、努力次第で提携企業11社から各種商品・サービスの割引が受けられるという特典もつきます。
例えば、スターバックスのコーヒーチケットや、ローソンのスムージーまたはMACHI cafeコーヒーと交換できるチケットがもらえたり、血液検査の割引・無料受診、スポーツクラブの月会費割引、ヘルシーフードの割引などが用意されています。
中には、ステータス(健康増進活動により付与されるポイントに応じて判定されるランク)により割引率が最大40%になるという、ホテル予約サイトの特典もあります。
その他、健康診断や検診を受け、その結果をアップロードすると、それだけでポイントが獲得できたり、BMIや血糖、コレステロール等の数値が所定の基準に収まっていれば、更にポイントを獲得できます。
Vitalityは、「行動経済学」における現実の人間の行動についての分析を応用することで、
より健康的な生活習慣を行うことを促す仕組みを備えています。
行動経済学とは、「必ずしも人間は合理的に行動するわけではない」という立場で、人間の行動を分析する経済学です。喫煙や食生活、運動不足、飲酒量など、体にとって良くないとわかっていても、なかなか変えられない行動を、保険料の変動や特典などにより、行動変化を促す仕組みです。
具体的には、行動経済学の中の「現状維持バイアス」と「損失回避性」と呼ばれる傾向に着目しています。
現状維持バイアスというのは、「人間は動機が無いと現状を変えない」という傾向のことをいいます。健康のためには日々の生活習慣や行動を変えていくことが重要であることは多くの人が認識していますが、実際には、きっかけや動機づけがなければ行動を変えることは難しいという傾向があります。
Vitalityは、健康状態を把握するための「オンラインチェック」により健康改善のためのきっかけを提供することや、
日常的に利用しやすい各種特典を用意して、行動変容を導く仕組みとなっています。
損失回避性というのは、「人間は、得をするよりも損をしたくないという思いの方が強く、損失を回避することを重視して行動する」という傾向のことをいいます。
Vitalityは加入時に保険料を割り引き、その後の健康増進への取組み状況によって保険料が変動する仕組みとなっています。
保険料が上がる場合もあることからそれを避けようという意識が働き、健康増進への取組みを継続することにつながります。
「結果にコミットする」と謳うライザップの生保版のようなものとも言われます。
行動経済学を応用したり、ウェアラブル端末やアプリなどによるタイムリーな身体活動計測、ディスカバリー社により構築されたシステムなどの最新テクノロジーを活用しているところも面白いですね。
いかがでしたでしょうか。
ご自身が「健康でない」と感じている方や、「なにか新しいことにチャレンジしたい」と考えている方にとってピッタリの保険商品だと感じました。
「生活習慣の改善はわかっちゃいるけど、なかなか出来ない」という方に、こういった保険商品はいいかもしれません。今後、こういった保険商品が広まっていくのか、注目したいですね。